恐竜の直近の祖先は2足歩行
福井県立恐竜博物館の久保泰主事が、恐竜に進化する直近の祖先について、2足歩行の可能性が高いとする研究論文をまとめ、同博物館紀要に発表した。直近の祖先については、2足歩行か4足歩行かで研究者の間で議論が分かれており、今後の恐竜進化の解明に影響を与えそうだ。
最古とされる恐竜の化石は、アルゼンチンの三畳紀後期(約2億3千万年前)の地層からエオラプトルなど7種類が見つかっている。
この一つ下の地層から化石が発掘された肉食のマラスクスなど数種類の小型動物が、恐竜の祖先に近い動物とされ、歯や手、足の化石の特徴などから恐竜の祖先は、肉食で2足歩行の可能性が高いと考えられていた。
ところが近年、ポーランドや米国、タンザニアなどで、2億4千万年前~2億年前の地層からシレサウルス類といわれる4足歩行の草食動物の化石が相次いで発見された。マラスクスなどより恐竜に形状が似ていることなどから、「肉食で2足歩行」説は確実ではない状況となっていた。
久保主事は恐竜の祖先の歩き方や食性を、初期の恐竜や恐竜に近い動物の系統をもとに推定する「祖先状態推定」という手法を用いて調べた。
その結果、シレサウルス類は2足歩行の恐竜の祖先から枝分かれして4足歩行に進化した可能性が高く、恐竜の祖先は「2足歩行」の可能性が高いと結論付けた。食性に関しては、草食であった可能性が肉食の可能性と同じぐらい高いことが分かった。
久保主事は「恐竜への進化は、約2億5千万年前にワニの仲間と分かれたころは4本足で歩いており、その後なぜ2本足で歩くようになったのか謎が多い。そうした研究にも広げていきたい」と話している。
紀要には、地質、古生物分野で同博物館研究員7人を含む11人が七つのテーマで2011年の研究成果を掲載している。1150部を作製し、ハーバード大や英自然史博物館など国内外の630機関に配布する。






