福井県勝山市の県立恐竜博物館は22日、同市北谷町杉山の約1億2千万年前(白亜紀前期)の地層で、草食恐竜イグアノドン類のものとみられる左右の下顎(歯骨)化石を発見したと発表した。同じ地層で1989年に発見されたイグアノドン類のフクイサウルスとは違う特徴がみられ「新種の可能性が高い」としている。
新種の恐竜と認められれば国内5例目(県内では4例目)となる。昨年7月19日から8月末まで行った発掘調査で発見した。
下顎の大きさは左右ともに長さ26センチ、高さ12センチで幅は右4・7センチ、左3・7センチ。重なるように発見され、大きさ、形状がほぼ同じことから同一個体とみられる。フクイサウルスの下顎と比べると幅が狭くほっそりしており、筋肉が付着する突起部分の形状も長い。歯槽は21本あり、歯は左右で15本残っていた。
下顎のほか、数メートル四方の範囲で骨盤の辺りにある坐骨(ざこつ)、胴椎(どうつい)や仙椎(せんつい)(腰の部分の背骨)、尾椎(びつい)(しっぽの部分の背骨)などが見つかった。これらの骨が新種のものか、フクイサウルスかは今後の研究で解明する。尾椎には肉食恐竜にかまれたとみられる穴や溝があった。体長は約5メートルあったとみられる。
イグアノドンは2足歩行の中型の草食恐竜。白亜紀前期にはアジアで生息範囲を広げていたとされ、近年は中国やモンゴル、タイでも化石の発見が相次いでいる。
今回の発見について、柴田正輝研究員は「アジア全域でいろんなイグアノドンが生息していたことや、白亜紀前期の福井の恐竜の多様性を示すことができる」と話している。
化石は23日~5月10日の間、同博物館1階の「福井の恐竜コーナー」で展示する。

